アイドルになれないなら死にたい

あー、その白い肌、細い腕、くっきりと浮かびあったの喉ぼとけ。

あー、その白い肌、細い腕、くっきりと浮かびあったの喉ぼとけ。
掘り返したシャツの袖口から延びる長い腕。
すらっと伸びた足。ちらっと見えるくるぶし。

やだもう、泣いちゃう。かっこいい。泣いちゃう。見てるだけで濡れちゃう。

シンプルな服装なのに、なんでそんな異彩放っちゃうの。
ああ、もう本当超絶超絶超絶、かっこいい。
あーもう、その偏屈な考え方。ウィットに富んだ冗談を真顔で言うとことか、その時の目とか本当溺れたい最高。

私その君のすばらしさ超わかるし、その考え方も超わかるからねえそばにおいて?君の世界観大好き。
私も入れて?わかるやつにだけわかればいいって、私わかるからすごいわかる。すごい君は面白い。大好き。
ねえずっと一緒にいよ?結婚しよ?

自分の世界を持っていて、独特な世界観のあまり、世間から置いてけぼりをくらってしまった、そんな孤独な人をわかってあげたいというのは、所詮、自分だけが良き理解者でありたい、自分が彼の世界をこじ開けて新しい風を入れてあげたい、というのは、エゴでしかないのだ。自分だけがわかってあげたいという、自分だけが彼にとっての唯一無二の存在でありたいという欲の塊の願望。それはただの自己顕示欲の塊を押し付けているに過ぎないのだ。それ以来私は好きなタイプは”一緒に居て楽しい人”というようにしている。別にモテを意識したわけではない。何度も言うが、モテを意識してのことではない。いわゆる”こじらせ女子”が好きな男性に共通するもの、それが、孤独、根暗、無頼、メガネが似合う、つぶらな瞳、決してイケメンではないが子犬のような雰囲気をまとった男、なぜであろうか。その寂しさをわかってあげたいなんてなんて勝手で我が儘な感情なのだろうって自分自身に嫌気が刺すのだけれど、快感に浸っている。そして今日も松田龍平に見たてた抱き枕をぎゅっと抱き締め眠るのだ。

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5/10 夢の話

久しぶりに実家に帰るとなぜか皆集合している。老人ホームにいるはずの祖母も帰ってきている。何かあったのか、と問おうとしたとき、家のチャイムが鳴る。玄関ドアのすりガラス越しに見ると二人の女性が向こうにいるようだ。あーはいはいと慣れたように姉がドアを開けた。後ろを振り返ると、叔母と父も出てきており、叔母が「こちらが大わらじです」と言う。確かに見慣れぬおおわらじが玄関に置いてある。ふと外をのぞくと、そこには行列ができていた。どの人々も金色の玉を持っている。「返納は不要です。またご利益があるようにしますんで」と叔母が言うと、父がその大わらじを履いて金色の玉を踏む。女性たちは祈るようにしてその様子を見守り、そして大事そうに玉を持って帰っていった。それが何人も何人も繰り返される。ふと気づくと、母がいないことに気付く。「おかあさーん、おかあさーん、どこ」と 叫んでみても、返事はないし家の中に気配もない。母はどこだと聞いてもみんな困ったように微笑んでいる。「どっか行っちゃったんだよ」姉が言う。困ったように言う。このおかしな状況にとてつもなく不安になり、いるはずのない母親のことを呼び続けた。テレビの横に飾ってある姪の運動会の写真にも母親は写っていなかった。「いつぐらいからいないの」姉に聞いても「いつくらいからだろうね、このときはもういなかったようないたような」曖昧なまま だった。父は教祖になり、母は失踪した。

いや、母親はこの家族に殺されたのかもしれない。早くくたばってほしいと思っていたが、まさかこういう形でいなくなるとは。皆が母親のことをよく思っていなかったことは知っていたが、殺すまでなのか。父が教祖となったのと何か関係があるのか。

私は部屋の角に向かって何度か叫んだ「おかあさーんおかあさーん、どこー」おかあさーん。

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絵を飾ろう

かねてよりずっと思っていた。結婚したら玄関に素敵な絵を飾りたいなって。
それは決して夢、絵空事なのではなくToDoだった。必ずいつかやらなければいけないことであった。

大学のゼミの教授からも言われた気がするが、
絵は日常には役立たないが、人の心を豊かにするものだと思っている。

私はいつかとびきりお気に入りの絵を見つけようと思っていた。
心を豊かにさせたかったから。
心が豊かになれば、内面から輝くことができ、外見も自然と磨かれ、いつの間にか良き伴侶に出会えると信じて疑っていなかったから。

そして私は、とうとうお気に入りの絵を見つけて、ネットで買った。
松田聖子風に言う「ビビビ」ときた絵を買った。

現在はチンコマンシリーズや豆本シリーズをこつこつと書き続けている石川次郎さんの絵だ。

サブカルかぶれの自分が知っているくらいのお人なのに、まるで、たたき売りかのように、数日生きていくための生活費を稼ぐかのような値段で、
インターネット売り出されていた。
そこで私は3枚の絵を買った。

同じ人が書いているのに作風が全く異なるように思える。
そこがまたいい。
販売サイトには作者のコメントも一部掲載されており、この手錠がされたピアニストの絵には「おのれの弱さにといかけたかった!こんなになっても絵をかきつづける気力はありますか?と。ピアニストは強い。みならいたい。」

中でもお気に入りの絵がこれだ。タイトルは「狂犬」。

インターネットの販売サイトにはおそらくこんな一言が添えてあった。
「ちょっと生きるのがなんとなくイヤになってしまった夜に描いてしまいました。
それからやっぱり10日間位みつめつづけていたら、この絵をゆるせたので出品させて頂きました。」

そのコメントの通り、コピックで狂ったように雑にざざざざと描かれている。
その表情からは現状への怒りが露わになっているように感じられた。
その怒りは内なるものへなのか、周りへのものなのかはわからないが。
私はこの絵を何度も見ては、自分の内なる猛烈な怒りをどげんかして表象しようと思った。
何かあるごとに壁に飾ったこの絵を見ては私もなんとかしなきゃなと思った。
私もいつか許し、許されたい。

そうやって絵は豊かにしてくれる。何かを考えさせてくれる。
心が豊かになって、生活が豊かになって、いつか素敵なライフが送れますように。

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しょうこファンクラブ

私には別段好きなものがない。
何かを集めているわけでも、何かを追いかけているわけでもない。
気が向いたときに、その時一番好きな好きなものを摂取する。

サブカルガールと揶揄されてきたけど、別にサブカルチャーが好きなわけじゃない。
ただその時好きだったものが、他人から見ればそういうものだったのだ。

だから何かを熱烈に好きな人をとても羨ましく思う。
興奮しながら好きなものについて語れる人を素敵だなと思う。

好きなものがない私は自分を語るときになにを話せばいいのか?とよく考える。
誰かに覚えてもらうときに、自分をアピールするときに、何を主張すればいいのか?

私は日々そんなことを考えていた。そしてあるときなんとなく思った。

あ!そうだ!私はしょうこを好きになろう!
しょうこはすごいんだぞ!しょうこはかわいいんだぞ!
なにが、どこがって聞かれてもよくわからないけど、とにかくかわいいし、なにより面白い!
よし!しょうこファンクラブを作ろう!
自分が会員No1になって、ごり押しごり売りをすればきっと会員も増えていくはずだ!
自分の好きなものを広めていけるぞ!よおし!

というわけで普及活動のために、まずはグッズを作った。
顔を並べたスマホケース


私のキャッチコピーでもある「ニュー処女」をおしゃれにデザインしたTシャツだ。

あとは、お年賀用にステッカーも作ったりした

しょうこの人気が高まると同時にグッズも売れ、お金が手に入る。
その得たお金を美容につぎ込み、しょうこはさらにかわいくなっていく。そして更に人気が増していく。
そしてしょうこはしょうこをもっと愛せるようになる。

なんたる相乗効果。

ファンクラブへのご加入、グッズの購入のご連絡待っています。
伝書鳩も可です。

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歯医者へ行こう

歯医者にて、これ見よがしに歯に詰まっているひき肉(お昼に食べミートソースの一部)を見せられたことが皆さまにはあるだろうか。
幼い頃から歯並びが悪いのがコンプレックスであった。

「矯正は必要ない」という歯医者の言葉をまんまと母親が信じ込み、私は歯並びがたがたのまま大人になってしまった。
同じ製造工場産のはずなのに、姉はとても歯並びが良い。私の何が悪かったのであろうか。

いや、もしかしたらあれが原因だったのかもしれない。
おじいちゃんのことが好きすぎて、お風呂場にある歯ブラシをこっそり使っていたからかもしれない。
(それは後にタイルのカビ取り用の歯ブラシであったと判明するのだが)

いや、それじゃないか。あっちの原因か。
母親とよく舌を絡めたディープキスをしていたからかもしれない。
総差し歯の母親と。
(今母親の口の中からは死体が詰まっているんじゃないかってくらい臭い、怖い)

いや、もうあれだ。
へそを曲げすぎて、歯も根本から曲がってしまっているのだ。
こんなんじゃキスもできない。ディープキスしたときにがたがたの歯でがったがたに相手様を傷つけてしまうんじゃないかと戦々恐々としていた。

私はきたるディープキスに向けて10年ぶりに歯医者に行くことにした。
歯医者は山ほどある。犬も歩け棒に当たるし、人が歩けば歯医者に出くわす。
私はそんな数多なる選択肢の中から、通院のモチベーションを高めるため&挫折しないため、イケメン歯医者さんを選んだのだった。
イケメンの歯医者は見慣れているのであろうか、別に私のかわいい歯並びについては特に触れなかった。
まさか想像はしていたが、ここまで根元がねじ曲がっていやがるとは!
このへそ曲がり!歯の根元ねじ曲がり!と私は恥ずかしくなったのだが。

そして健診後、虫歯の数が言い渡された。7本。
(前歯3本 奥歯4本)

歯並びがたがただから、もっと多いかと思ったが、意外と少なかった。
しかしそれから私は2年以上その歯医者に通った。

会社帰りの日も、雨の日も、雪の日も、
時には紹介状を書いてもらい、大学病院で親不知も抜いた。
歯の根元が曲がりに曲がり切っており、抜けば顎に神経麻痺が残るといわれたが、特に後遺症もなく、無事に粉々にされて抜けた。)
私は決してくじけることなく、なんなら喜んで歯医者に2年くらい通った。
今だって定期的にクリーニングに行っているし、今度ホワイトニングもするつもりだ。

別に歯並びはがたがたなままだけど、口内環境はいつだってクリーンなわけで、虫歯も治ったので少しはディープキスへの自信もついた。

そこのあなた!もういつだって私はディープキスできますよ!
あなたの唇傷つけてやりますよ!
このがったがったの歯と捻じ曲がった心でいつだって抱きしめてやりますよ!

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わたしのかわいいぜんぶあげる

ねえ、知ってる?私って意外とおっぱい大きいし形もすごく綺麗なの。
あと料理だってできるし、掃除も好きなの。整理整頓だって得意だし。

ネイルもがんばってるし、虫歯もないし、歯のクリーニングだって3か月に1度行ってるのよ。

仕事も好きだし、勤務態度も真面目だから上司からの信頼も厚いからよく飲みに連れて行ってもらっているの。
確かに安月給だからあまり行きたいところには行けないかもしれないけど、その分おいしい手料理振る舞うよ。

お酒だってすごく強いし、楽しませる自信もあるよ。
そりゃあたまに寝ゲロすることもあったけど、最近は自制できるようになったんだから。

アカデミックな話からAVの売れ筋商品の話もできるし、音楽の話だって本当幅広くできるよ。
よく人からは「今までこんなこと誰にも言ったことなかったのに」とか言われるくらい、聞き上手なんだよ。

ただあなたが知らないだけ。私がちょっと照れ屋だから、茶化してごごまかしちゃうだけ。
ただあなたに届かないだけ。

本当は私にはかわいい面がたくさんあって、十一面菩薩像より多くの面を持っているんだから。

ねえ、わたしのかわいいぜんぶあげるから。愛してよ。
ねえ、わたしのかわいいぜんぶあげる。あなたにあげるから。

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送辞

寒さの厳しかった冬も、ようやく過ぎました。柔らかな日差しの中、草木も新芽を吹き出そうとしています。
このなんとも素晴らしい良き日に、あなたは結婚します。

これまで私はあなたを頼りにし、憧れ、馬鹿な話で笑いあいながら、ともに成長してきたのだと思っております。
あなたのことを考えると、今までの思い出が次々と浮かんできます。

転げまわるほど笑いあった日々はとても懐かしく、今でも私を笑顔にしてくれます。
そして時にあなたは励まし、導いても下さいました。
仕事のこと、家族のこと、友達に絶好されたこと、いろいろと相談にのってくれてありがとうございました。

今後新しい環境で困難に直面することもあるかと思います。
すでにいろいろな問題に直面していることもあるはずです。
しかし、これまで様々な困難を乗り越え、私をここまで成長させてくれたあなたのことなので、きっと力強く前に進まれることと信じております。

あなたの新たな一歩が光が輝き、未来まで明るく照らされますよう、心からお祈りしております。
意外と論理的で、果敢で、そして心優しいあなたのその姿を心に焼き付け、
私はまだここで、超然としていようと思います。

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しょうこは知らない

しょうこは知らない。未来を。 
本当の、未来を。

しょうこは知らない。かわいいって言われて、自分に自信のないあなたは、私のどこを見て言っているのだろうと、疑う。
本当の自分をわかってくれていないなんてバカなことを思っている。
しょうこは知らない。かわいいって言葉に別になんの意味もないことであっても、好きな人から言われるとどんなに嬉しいことかを。
しょうこは知らない。

しょうこは知らない。髪をのばせ、と言われる真意を。
髪を伸ばすことによって芽生えるアレンジ力やトリートメント能力からはぐくまれる女子力があったということを。
しょうこは知らない。

しょうこは知らない。メイクを直せ、と言われる真意を。
どうせ会社に行って帰ってご飯食べて寝るだけの生活を繰り返す私にその真意を知る由もない。
途中、取り急ぎ、薬局の試供品コーナーにてメイクを直す私の姿があることを。
しょうこは知らない。

しょうこは知らない。薄いタイツを履けと言われるその真意を。
ボディラインを見せるということがどんなに大事で、そうすることによって芽生える感情を。
しょうこは知らない。

しょうこは知らない。トップスはもっと明るめの色を選べと言われるその真意を。
大丈夫、誰かのために服を取捨選択するとき、未来のしょうこは明るめの色を取捨選択する。
しょうこは知らない。まだ知らなくていい。ただそのときの感情に身を任せればいい。

しょうこは知らない。もっと口角を上げる練習をしたほうがいいと言われるその真意を。
私は笑った顔より真面目な顔のほうがかわいいこと私は知っていたが。
しょうこは知らない。知らなくていい。どうでもいい。その人の前ではまた違う顔を見せるのだから。

しょうこは知らない。その真意を。
「言っとくけど、俺は絶対にお前を抱かないからね」なんて男友達に言われたことの。
しょうこは知らない。知らなくていい。その人に抱かれるわけでもないんだから。 

しょうこは知らない。まだ知らない。
彼が喜ぶ下着の色についてまだ知らない、知らない。
しょうこは迷っている。

しょうこは知らない。未来を。
いきなり、突然に、落雷のごとく、来る、この、未来を。

かつてのしょうこは知らない。
まだ知らなくていい。

今のしょうこが楽しければそれでいい。

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さよなら、SEX君。

お元気ですかSEX君。こないだ君の夢を見ました。いわゆる淫夢ってやつです。
とてもありえないことなんだけど、なぜか君は私を口説いていました。そして私は恥ずかしそうに笑っていました。

引っ込み思案で口下手な君のことだから、絶対あんな口説き文句は言わないだろうし、
それよりなによりまず、君は絶対に私のことなんて好きじゃないのにな、悪い冗談だなと思って、笑ってしまいました。

私が君のこと、なんでSEX君って呼んでいるかっていうとね、
君があまりにも優柔不断で、行く先もお店も決めてくれなくて、なんでも私の言いなりだったから、
だから私がSEXしようって言ったら君はしてくれるんだろうかってそんなどうしようもないことを考えてしまってね、
それでね、自分の中でそう呼ぶことにしたんだよ。

どう?彼女と仲良くやってる?元気?君んちに忘れていったあれは捨ててもいいよもう。
ところで、君の彼女さ、かわいいよね。波留に似ているよね。

私なんかより私なんかより私なんかより数億倍かわいいよね。
ブスでもないけどかわいくもない私じゃなくてよかったよね、本当。

大丈夫、安心してよ、私はうまくやるよ。
君が思ってるより、うんと、うまくやるよ。
そんなに強くもないけど、そんなに弱くもないんだ。

さよなら、SEX君。
元気でね、結婚式には是非呼んでよね。

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わたしのしたいしたい

私の中にうず高く降り積もっていく”なれなかった”私”の”死体”。
あれをしたかった
これをしたっかた
私のしたい死体たち。
わたしのしたいしたい。

中学生のとき
今から考えるとあまりに短い帰り道を一緒に歩きたかった。
ちょっと遠出して池袋なんかで映画を見たかった。ジュース高いねって、ポップコーンも高いよって、でも買っちゃおうって言いあいたかった。
手をつなぐということでさえ一大事でキスなんかした日にはそりゃあ他の女子に言いふらしたかった

高校生のとき
お金がないけど、家にもいれないからって、ファミレスで延々しゃべってまだしゃべり足りなくってそのあと夜の公園でいちゃつきたかった。
地域で一番栄えた駅に行って一緒にショッピングをしたかった。こっちのほうがいい、これもいい、でもお金ないから見るだけねって。
そのあとクレープとか食べたかった。
なんてことのない日にお揃いのだっさいキーホルダー買いたかった。これ、一生大事にするねってEAST BOYの通学カバンにつけたかった。

大学生のとき
仲良く大学構内を歩いて、周りからみられるのも気にしないで公認のカップルになりたかった。
彼の一人暮らしの家に入り浸って、また泊まったの?本当仲いいねえって友達に言われたかった。
バイトがんばったから今月余裕あるし、水族館にも行こう、おいしいものを食べに行こう。占いにも行こう、そういいあいたかった。

社会人になってから
仕事でなかなか会えない日々を潜り抜けて、会えないのは辛いよなんて泣き言言って、じゃあ一緒に暮らそっかって抱きしめあいたかった。
記念日にはレストランでちょっとお高めの食事をして、プレゼントは内緒じゃなくて一緒に買いに行きたかった。

わたしのしたいしたい。
私はわたしのしたいを、海に沈める埋める。
私の中の海に深く、沈める。

わたしのしたい死体たち。かわいい死体たち。
いつかな、いつかな、って
返り咲くかわかんないような枯れた花に水をやり続けるように。
たまに揺り動かして起こしてあげなきゃ、どんどん腐っていくから、
そうだここも行きたかったんだよなってガイド誌を読みながら同調してやる。
ぷかぷかと浮かぶ私の死体たち。
できなかった、なれなかった私という死体たち。

私のしたいしたい。かわいいかわいいしたいしたいたち。

そして9月。
夏の日差しを浴びて温まった私の海の中。
私のしたかったしたいたちが蘇り始める。色を付け出す。いっせいに泳ぎだす。
私のしたいしたいたちは、私になる。私の中で泳ぎだす。

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