モテたいのかSEXがしたいのかなんなのか
久しぶりに会う人なんかと、最近どう?って話になったときに私はよく「いやあ〜全然モテませんね〜」と言ってしまう。
でもそもそもモテるわけもないし久しぶりに会うといえども、先方は私がモテないことくらいわかりきっていることであろう。
誰かと会ってもあーしろこーしろとアドバイスをいただいてばかりだ。
もっとアイラインは目のキワにひきやがれ、チークはもっと濃くだこのやろー、眉毛濃すぎなんだてめーといったメイクのアドバイスから、やれ、銀座のあのバーはナンパ率100%だの、温泉はOKのサインだのと、本当に有り難きアドバイスの数々はいまだに私のEvernoteの中ですやすやと眠っているので、アドバイザーの方々はとりあえずは安心してほしい。
いまや、私だけでなく性交渉を経験したことのない女性が増加傾向にあるそうだ。
しかしそんなただの統計に、まだ30前だし大丈夫〜、とあぐらをかいていては年を経ていくのみだ。
男なし!子供なし!女子力なし!あるのは処女膜だけ!
なんて言う勇気も機会もない、煮詰まりきってしまったこのネタは
もう年齢的にもテンション的にも一生言うことができないであろう。
ここ最近童貞女子という言葉が流行っているようだ。その意味は”童”心を忘れない”貞”淑な女子、というものらしい。
趣味に生き、女子力が低く、恋愛・モテに興味がなく、彼氏いない歴=年齢でも気にすることなく、女子カーストからははずれているがそれを気にもしていないというような内容であった。
モテ疲れしている女性からの共感も得ており、一緒に趣味を共有したいという男性からのラブコールもあるという。羨ましい限りである。
対して、私は童貞のような処女である。
卑屈な精神、歪んだ心、恋愛至上主義の人々を蔑み、見下して悦に入ることで自我を保っている。
自尊心が高く、自己顕示欲が邪魔をし、自意識過剰なまでに羞恥心が強い。面倒臭い限りである。
しかし、とてつもなく面倒くさいけど、慣れればかわいいのだ。かわいくみえてくるのだ。めんどかわいいのだ。
処女なのに童貞、恋愛至上主義に憧れているのに見下して馬鹿にしてしまう、そんな自己矛盾を抱えた赤ん坊爆弾こと私、本当かわいいですよ、愛してみませんか、愛でてみませんか。
今私が立っているここは、火曜サスペンスでよくみるような崖なのである。処女界における東尋坊なのである。
”経年”やら”老い”やらがジリジリと追い詰めてきており、私はそれを払いのけようにも一定のペースで迫ってくる。
いっそSEXへの憧れを断ち切ってしまい、自ら崖の下へと落ちてみようかとも思ったが踏ん切りがつかない。
SEXしてないからこんな風に自分の伝えたいことをうまく伝えられないんだ。このブログ書くのにも一体何日費やしているんだ。SEXしてないからなんとなく人生うまくいかないんだ。なんとなくいいなあって思ってた人に彼女ができたとか何人目だよ。
そんな踏ん切りがつかないのも、思い切りが悪いのもきっと、SEXをしていないからであろうか。
これが私の中の【”鶏が先か、卵が先か。SEXが先か、人生の成功が先か問題”】である。
私はSEXに突破口を見出しているだけであって、なにも出会って4秒で合体したいわけじゃない。SEX中毒なわけがない。
犬を飼ったら人に優しくなれる気がする、東京へ出てきたら成功できる気がする、
そんな淡い期待、と同じ類なのである。
新しい服や靴を買ったらるんるんと気持ちが高揚するように、
髪を切ったら気持ちが一新するように、
新しいノートを買ったら綺麗な字を心がけようと思うように、
そんな感じ。そんな感じで今までの私を刷新したいのだ。
モテたいのかSEXがしたいのかなんなのかなにがしたいのか。
私は変わりたいのです。
追伸:今日、映画モテキを見ていたら辛すぎて死にたくなりました。
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