アイドルになれないなら死にたい

『女子をこじらせて』雨宮まみ

衝撃であった。2011年、どのようにしてこの本に出会ったのかは忘れてしまったが、兎にも角にも、泣きながら読みふけったのであった。
何度も再読もしたし、父にも友人にもすすめたくらいだ。(でも誰も読んではくれなかった)

201504-01

当時の私はそれにひどく共感した。筆者の鬱屈した性格は、はたから見れば滑稽であるのだが、

自分にも潜んでいるこじらせが満載になっており、身につまされる思いをした。

先日、文庫が出版された。
解説に上野千鶴子女史を迎え、文庫版の濃厚なあとがきも巻末に収められている。

201504-02

かつての私は女として不完全であると強く思い込み、女でいることをやめたくて仕方がなかった。
ぼさぼさの髪に、よれよれのTシャツ、男の子のような服装をして、私は私自身を女であるということから遠ざけていた。

私は本書に対して居心地の良さを感じた。
こういう風に自分を極力女であるということから遠ざけたい人間 は他にもいるのだと、私は心強く思った。
まみさんの痛快な自分語りは私自身の自己分析にもなっていた。

しかし、果たしてその自己分析とやらで打開策は見いだせたのだろうか。
まみさんの本に答えを求めすぎて、自身が思考することをやめてしまっていたのではないだろうか。
共感ばかりを求めすぎて、自身の立ち位置や、機会や外部環境というものを置き去りにしてしまったのではないだろうか。

「本を読むとき、答えを探すのではなく、答え合わせとして読みなさい」と友達がこんなことを言っていた。
本当にその通りだと思う。

本に対して、共感したり、感動したりすることはもちろんいいことだ。
しかし、安心してはいけないのだと思った。自分と同じ価値観を見つけて嬉しくなるが、決してそれが答えではない。

私はもうこの本を読まないだろう。できれば読まずにいたい。
(文庫版は買ったが本編は読まず、解説とあとがきのみを読んだ。)
もし再読してしまったら、また自己分析の海へ投げ出されてしまうのではないだろうか、と怖いからだ。

こじらせは誰もほどいてはくれない。
こじらせというドアを解き放つのは、
他者からのありがたいご助言でも
嬉しい暴言でも小突き合いでも
女子会で繰り広げられる愚痴の言い合いでも
スピリチュアルでもオカルトでも
社会運動でもデモでも脱原発でも
音楽でも本でも偉人でも
ないのだ。

世間ずれしていく中で、やっと自分の立ち位置が見えてきた。
「世界の約束を知って、それなりになって」とフジファブリック志村も歌ってたように

それなりになってようやく見えてくるのだ。
自分がどうありたいかとか、どうなりたいかとか、どうならなれるとか。

そのドアは自分でこじあけるしかないのだ。
こじらせのドアをこじあけるのだ

私は今、おもいきり女子を楽しみたいと思うのだ。
こじらせというボロ服を脱ぎ捨て、男にとってのいい女という鉄面皮を被ってみたいのだ。

とりあえずやってみたいのだ。本書解説内のワードで言えば”優しいおばあちゃん”になりたいのだ。尽くしてものわかりのいい女を演じてみたいのだ。日々の暮らしの中でなんとかそういったこじらせに笑いに自己卑下にネタに頼らず生きていきたいのだ。

私は女子だ。女子である。女子を女子らしく享受し全うしたいのである。

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私はおまえと結婚すると思ってたよ

この前は急に電話してごめん。
どうしても誰かに愚痴を聞いて欲しくてさ、そしたらおまえの顔が浮かんだんだよね。
まさか出てくれるなんて思ってなかったからさ、嬉しかったよ、ありがとう、ね。

でも、金曜のあの時間にまで仕事してるなんておまえすごいな。
まあ忙しそうで何よりだよな。

そうだ、今度の土曜日さ、頑張ってね。
緊張するよな、親に挨拶だなんて。
私全然その緊張とか、わかりかねちゃうんだけどさ、
おまえならきっとまたひと笑いもふた笑いもとってさ、向こうの親ともうまくやるんだろうな。

写真みたけど、かわいいじゃん、彼女、じゃなくて奥さん。
でもああいう感じおまえのタイプだったけ。
かわいい系好きって言ってたじゃん。
でも彼女、キレイ系じゃん。うん、すごくキレイ。

私は彼女のことを好きになれる自信あるよ。
だっておまえが好きになって、結婚したいって思った人ってことでしょ。
きっとそれはそれは素敵な人なんだろうな。
全然会わせてくれないからさ、全然知らないんだけどさ。
どうせいい奥さん捕まえたなって周りからも言われるような人なんでしょ。さすがじゃん。
まあ頑張れよ、応援してっからな。

あのさ、おまえに一つ謝って欲しいことが、
いや、謝って欲しいというか、もう言わないで欲しいことがあるんだ。

「しょうこがもっと可愛かったらよかった」
なんてもう本当二度と言わないでな。本当、お願いだからさ。

かわいくないだとか、ブスだとか、眉毛ないよとか、ああいう服着ればとか、
今日はちゃんと化粧してるんだねとか、そういうことは全然いいんだよ。いいんだけどさ、なんかあの言葉はすごく傷つてしまったんだよね。

私がおまえと楽しく過ごせたのも、私がかわいくないからだよね。
恋愛に発展しないってわかってるから、絶対に好きになるわけないってわかってるから、
見栄とか虚勢とかはらなくて、本心のままになんか言い合って、だから超仲の良い友達でいれたんだよね。

私だって、私だって、もっと可愛かったらよかったって思ってるよ。
だって、そうしたらおまえと結婚できたかもしれないじゃん。

私はおまえをおまえが一人の人間として尊敬している。一緒にいるといつだって楽しい。
おまえは本当にすごい。本当にすごい。
だから私、おまえがもっとかっこよかったらとか痩せてたらとか髪が長かったらとか
酒が強かったらとかタバコ吸ってたらとか思ったこと微塵もないよ。

おまえを誰かと比べたことなんてないよ。

おまえといると楽しい。おまえも楽しいことを私は知っている。

あーあ、おまえいい家庭作るんだろうな。
楽しくてあったかくて、私が憧れてやまない家庭を築くんだろうな。

なんかおまえすげえいい家庭作れそうじゃん。
おまえいいパパになりそうじゃん。
たぶん、すごい恥ずかしいんだけど、もし子供ができたら女の子だろうな。
娘と一緒にパパをとりあいたかったな。
なんか、そんで、そんでもって、くだらないことで喧嘩して笑って仲直りして楽しく暮らせたんだろうなあ。

本当、私はおまえと結婚すると思っていたよ。

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パンダになりたい

かわいいと言われたい。
一挙一動に対してワーキャー言われたい。
そう、私はパンダになりたい。
ぐでん、と寝ころぶ姿や、もしゃもしゃと笹を食べる姿、
何をしたってパンダはかわいい。そんなパンダに、私はなりたい。

そんな私のパンダ願望とまったく同じことを考えている人物がいた。
メガネブスでおなじみ、みんな大好きな光浦靖子である。

2Q==

皆さまからのお悩みに光浦靖子がアドバイスを授けるという、雑誌に連載されていたものを1冊にまとめた本書。
光浦靖子に悩み相談!?と思おう方もいらっしゃるかもしれない。
わかる。確かに、わかる。
頭のいいだけの頭でっかちブス女芸人くらいにしか認識していない光浦靖子が応えられることなど、机上の空論にすぎないとお思いになるのもわかる。

でもまあ、悩みなんて誰かに話した瞬間にもう50%くらいは解決したようなもんなのだから。
送ってくる人も「この服と、こっちの服どっちがいい?」みたいな他愛ないものなのだ。
お悩み相談なんてそんなもんだ。本当に危機迫った状況だったらまず光浦靖子には相談しないだろう。

しかし、光浦靖子の言っていることはすべて正しかった。
私にとっては何もかもが正しくて、「そうだよ、そうだよね、みっちゃん」と丸ノ内線で涙を流しながら読んだのである。

・動物園を楽しめない
⇒あなたは満たされているから動物園が楽しめないのだ。
 動物園を楽しむなら欲求不満になりなさい。
 動物を触るということは純粋なる皮膚接触である。皮膚の接触ほど気持ちの良いことはない。
 ただ、動物園に行きたいという女性は、自らの欲求不満を置き換えて正当化しているだけであるかもしれない。

・面白いと思うものが減ったと思う。
⇒面白いものがないのではなく、その前に己の感性の鈍さを疑え。
 よく目を凝らして周りを見てみろ。面白い人ほどよく笑うだろ。

・結婚式に高いご祝儀を払うのがバカらしい
⇒結婚式は祝うのではなく、自分が楽しむためのものだ。
 気持ちよく泣くために高い金を払いなさい。

みっちゃん!そうだよね!まったくもってそうだよね!
「普通をバカにしながら普通になりたかった」んだよね!周りはバカだから、わたしのすばらしさは理解できないんだと変なプライドばかりが育って行っちゃったんだよね!そんで、気

づくんだよね!本当は空気を読めないのは自分が劣っているだけだって!

自己評価が低い人って自分で卑下する分にはいいけど、人から卑下されるとブちぎれるんだよね!わかるわかる!それ!私!

どっか不幸でないといけない、弱者であるから自由になれる気がして、幸せになったら面白くなくなる気がして、幸せになっちゃいけない気がして、でも本当に必死こいたところで幸せ

にもなれる気がしないから最初から何もかもあきらめて道化ごっこをしてるんだよね!
モテないということを武器に半径5mくらいの人を笑わしてるだけなんだよね!

処女で悩むと余計に処女になるんだよね!周りを笑かしているつもりだけど、実は「私は人より劣ってるの。弱いの。だからかわいがって」って言っているようなもんなんだよね!わか

るわかるー!

わかる!私もいつもくだらないことをぐるぐると考えて自家中毒に陥ってしまうから、にこにこしなきゃと思って、スケベなこと考えるようにしてるよ!でもたまに電車ん中で気づいた

らよだれたらしているから気を付けなきゃね!

私も相談にのりたい。
恋の悩み相談とかのりたい「翔子に言ったってしょうがない」と確かに経験もないわけだから何度も言われても仕方がないが、
相談にのりたい。高田純次みたいに意味がありそうに見えて空っぽなんだけど、なにかを読み取れるような、そんなアドバイスをしたい。

いつもつるんでるはずなのに彼氏がすぐできる女の友達に
とんちんかんな恋愛アドバイスをして周りから未だに笑われるようなことがあったとしても、相談にのりたい。

相談にのったふりして自分に置き換えて考えて、悟りを開きたい。んで自分も変わりたい。

でも、涙が渇き、ふと我に返った瞬間に、「あれ、じゃあもしかして私の行く末は光浦靖子か」と焦った。
私はみっちゃんみたいに達観した考えを持ちたいけれど、みっちゃんみたいになりたいわけじゃない!!!!!!!
誰かのミューズ!オノ・ヨーコでありたい!なんかふとした瞬間にインスピレーションとか与えたい!!!!

ごめん!みっちゃん!!わたしはそこにはいけないや!!!私はヨーコになりたいんだった!!!!!

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父さん、

父さん、夏です。生命力溢れる夏です。
私の全身の毛という毛がこれでもかと言わんばかりにその生命力を見せつけてくるのです。
もりもり、もりと、私は生い茂っていくのです。
父さん、この間はお話きいてくれてありがとう。
ビール買って来てくれてありがとう。ねぎとろもありがとう。
ちゃんとビールを買ってきてくれたね。発泡酒じゃなかったね。
父さん、あなたは言ったことを忘れないでいてくれる人だ。
父さん、この引っ越したばかりの隙間だらけの西荻窪のアパートは
あなたが大学に入学した年とおなじ 年にできたアパートなんだね。
なんだかこのアパートのこと、見つけた時より好きになったよ。
父さん、遊びに来てね。父さんだけで来てね。
おいしいやきとり屋さんがあるから食べに行こうね。
それともほかのやきとり屋さんにでも行くかい。
父さんの体調が良ければ焼肉でもいいよ。行きたいところがあるんだ。
父さん、私は引っ越したけれど、
あの家は私がいなければいないほどうまく回るんだね。
別にいいよ、なんでもないよ、今言ったことは忘れてね?
だってもう自分でどうにでもできる年だもん。
この家に来て結膜炎になって、かゆくなって、目を腫らしてしまったんだよ、ねえ。
目頭がずっと切れてしまって、ボクシングの試合後の辰巳みたいだったんだよ、父さんが好きな辰巳だよ。
今も泣くとちょっと滲みるんだ。
そして父さん、空気清浄機を買ったよ。
プラズマクラスターだよ。プラズマクラスターはしょうこだけ、のプラズマクラスターだよ。
あとダニよけのスプレーを買ったんだよ。あれ、高いんだね。でもなんだか効いている気がするよ。
ねえ、父さん、私もう自分でどうにかできるんだよ。
なんだってできるんだよ。弱っちいけど、どうにかできるんだよ。
だからもう、守ってなんて言わないし、頑張るから、
また嘘くさくない言葉で応援してね、父さん。

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サブカルくそ婚活に行ってきた

唯一たまに買う雑誌の、TV Bros主催(?)のサブカルくそ婚活 に行ってきた。

201505-01

ある日偶然たまたま心優しい既婚の友人が、たまたま見かけたURLを送ってくれて、たまたま私がそれを友人にコピペして送って、たまたま友人が興味を持って、たまたまその友人が行きたいとたまたま言ってきたのである。

決して行く気満々で興味ありありだったわけではない。そう、私は決して焦ってなどはいない。大事なところだ。何度でも言う。テストには出ないけど、重要なことはたくさんあるのだと学生の方にも伝えたい。そう、別に行く気などなかったのだ。

しかしだ、私を誘ってくれた心優しい友人は、「翔子に会う人絶対いそう!行こうよ!」と言ってくれているのだ。せっかくだ。
いつも踏みにじってばかりいるその友人の優しさに今回ばかりは乗っかったのである。乗っかってやったのである。

そうだ、あれだ、何事も早く経験しておくにこしたことはないではないか。
そうそう、婚活ね、いつか経験するだろうな、とは思ってたしね。
そうそう、上司にね、面白い話してとふられた時のためのネタ作りにもなるしね。

201505-02

会場へ入るなり、主催スタッフの人から小さく番号が書かれた名札を渡される。
「お名前、得意分野を書いてください。」

てっきりただのライブイベントと思っていたら結構ガチな感じなのね。
そうはっきりスタッフの人に言ったらへらへら笑ってた。こいつ童貞かな?

会場はメインフロアとバーカウンターもあるラウンジの2フロア構成となっている。
受付からメインフロアへ直行するのも、張り切ってるって思われそうでなので、ラウンジで酒を注文し、用を足し、しばらく時間をつぶした。

いざメインフロアへ行くと、長テーブルが7個くらい並べてあり、そこにアルファベットが書かれている。
名札に書かれた番号順にテーブルが指定されているのである。

が、が、ガチやんけ!!!

男4名、女4名でそれぞれのテーブルが割り振られているらしく、我々が席につくとすでに女性1名、男性1名が待機していた。
張り切っているみたいに思われるのが嫌なので、開始時間からちょっと遅れて行ったのにまだイベントは始まっておらず、人もまばらであった。
これじゃあまるで早く来て張り切っているみたいではないか!ちくしょー!

テーブルには鉛筆が置いてあり、名札へ名前と得意分野を書かなければならなかった。
得意分野?みうらじゅん?根本敬?丸尾末広?でも突っ込まれた質問されたらどうしよう!
そんなことを頭でぐるんぐるん考えていた。自分の好きなものにも自信が持てないなんて!私はなんてクズなの!

ここで私は0から1にはできるけど10にはできない自慢のコミュニケーション能力を発揮させる。
「得意分野なんて書きました?」と目の前に座る男性に声をかけたのだ!だ!

「音楽、映画、テレビ、お笑い、ラジオ」そんな幅広い感じでその人は書いていた。
なるほど!これなら「音楽だったらどんなジャンルがお好きなんですか?」と言った風に話もひろがりんぐだし、
コアなこと書いてひかれる心配も、突っ込まれる心配もない!なるほど!

というわけで、「音楽、漫画、お笑い、ラジオ、本、奈良」と当り障りのないことを書いた。

しばらくして司会者の登壇とともにイベントはスタート。乾杯の音頭等もなく。テーブルにはいつのまにか8名がそろっていた。
男か女かわからない佐村河内のコスプレをした三味線の演奏からイベントは突如スタート。

おかしな風景である。
皆が同じ方向を向いて、茶番の三味線に耳を傾けているのである。
途中何度も演奏者自身が首をかしげるくらい、音がはずれまくる。
まったくもっておかしな風景である。帰りたい。

佐村河内さんの演奏のあと、そのままサブカルクイズ大会へと突入。もうビールがない。ビール買いに行きたいのに。
テーブルごとにホワイトボードが置かれており、それぞれのチーム対抗戦となる。

我々のチームは好調な滑り出し、とはいかない。むしろ知っている人いんの?ってくらいサブカル知識が求められる。っていうかこれサブカル?

私がとある漫画家を知らないだけで、「お前名札に得意分野漫画って書いているのにこの漫画家知らんのか!」と
同テーブルのクソ男に言われたの、約1週間経った今も根に持ってる。覚えてろよてめー。

男はやはりバカな女がいいんじゃないの?知らない子にいろいろ教えたいんじゃないの?
それで優位に立ちたいんじゃないの?俺色に染めたいんじゃないの?
なんで知らないことバカにすんの?なんだっていいじゃん!もうサブカル嫌い!ばーか!ばーか!
え!?私がかわいくないからバカにするの?かわいい子だったら手取り足取り教えこむの?
だったら勝手に浸ってろ!悦に浸ってろ!ばーか!ばーか!

これがサブカルというなら私は誓う。私はサブカルなどではない。サブカルくそガールを自称していた時期もあったが、今はただのくそガールだ。
というかサブカルってなに?メインカルチャーに対しての”サブ”なカルチャーなわけでないの?
あまり知られていないことを詳しくディープに知っているってことがサブカルチャーなの?なんなの?
ともんもんとしてしまった。怒りをぶつけたくなった。

そして私たちは勝手に二人で疲弊し、始発が出るうんと前に、ひっそりと会場を後にした。

10人くらいに連絡先を聞いたと豪語していたぴちぴちの若いかわいい男の子にすら連絡先を聞かれなかった。
我々の何がいけないというのか。
男の人に声をかけることなく、かわいい女の子を観察しては、
「かわいいけど友達にはなりたくない。いらついてしまうから。だってあのリアクション、わざとでしょ」と言っていたのがいけないのだろうか。
幕間、幕間に席を立ってはタバコを吸っていたのがいけないのか。
もしや話しかけたくてうずうずしていた男性がいたかもしれないが、我々が席をはずしていたのがいけないのか。
相手もいないのに手相占い師に恋愛の相談をしてしまうのがいけないのか。
果たして、我々の何がいけないのか。

お話してた年上の女性の方がおっしゃっていた。
「メインフロアにいるやつは全員童貞!メインフロアに入らずラウンジにずっといるやつは変わり者!」
そうか!童貞なのか!だから女性に話しかけられないのか!だから話しかけられなかったのか!そうか!

って腑に落ちない!

201505-03

始発前のラーメン屋で友人に白髪を抜いてもらった。

抜けども抜けども、次々と発見される白髪。
分け入っても分け入っても白い髪。

サブカルくそ婚活なんてと見下しながらも、ちゃんとした下着をつけて、何かを期待して、唯一最近購入した春物のガウチョパンツを履いていったのに、別段何もなかったことより、
白髪が想像以上にあったことのほうがショックなのであった。

分け入っても分け入っても青い山。
かき分けてもかき分けても白い髪。

<了>

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私をたっとべ

私はプライド高いから本が好きだと嘯く女に角川ホラー文庫でオナニーしたことあんの?と聞いてしまう

私は性格悪いから騒ぐ小さい子供を見て微笑むばばあがなんかむかつく

私はプライド高いからマスクを買うときに子供用を買ってしまう

私は性格悪いから嫌いな奴の洗濯機にトイレットペーパーを投げ込みたい

私はプライド高いからお気に入りの靴下に穴が開いても履き続ける
穴が拡張されようと履き続ける
そのうちレッグウォーマーになると信じている

私は性格悪いし、好き嫌い多いからコーンを無理やりチャーハンやらハンバーグやらに練り込んでくる気遣いがきにくわない
色彩感覚を料理にむりくり入れ込もうとするその神経がきにくわない

私はなんてプライドが高いのだろう
私はなんて性格が悪いのだろう
私はなんて好き嫌いが多いのだろう

でも私はなんて面白いのだろう

私はスペシャルだ
私はなんて尊いのだろう

私は唯一無二だ
私は尊い

だから私をたっとべ

私をたっとべ

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あの綺麗な馬のような

朝いつものように目を覚まし、1階にある風呂場へと向かう。
洗面所からゴォゴォという音が聞こえる。

またか。

たまにおじいちゃんが蛇口を閉め忘れて水が出しっ放しなことがある。
今回も同じかと思った。

すると、トイレの電気がなぜかついていて、扉が開いていた。
私はなんとなく、次に目にする風景を予測していたが、なぜかすごく落ち着いていた。

私はおじいちゃんと声をかける。1回、2回、3回。
応答が返ってくる。ほら、大丈夫だった。意識はある。

意識が朦朧としているのか、起こしてくれと言う。
足に力が入らず、立ち上がれないのだと言う。

寝室まで担ぎ、湿ったももひきを脱がし、ベッドに横たわらせた。

そして私は見惚れた。
朦朧として横たわるおじいちゃんのケツ毛を見下ろしながら、見惚れていた。
あの世界一美しいとされる馬の毛並みよりも美しいと思った。
白髪が混ざって、まるでブロンドのように輝いていた。とても美しいと思った。

今こういう場面でこういうことを考えてしまっている自分は最低だ。
でも、とても美しかったんだ。そのことを誰かに伝えたかったんだ。
そして笑ってほしいと思ったんだ。笑い飛ばしてほしかったんだ。

201504-01

おじいちゃんが倒れた原因は、寝る前に飲む眠剤を3日分飲んでしまったことだった。
だから別にどうってことないのだ。もうピンピンしている。さっきだって、2階まで上がってきて、よくわからないことを言っていた。もう大丈夫なのだ。

今月の16日でおじいちゃんは88歳になる。
あんなに綺麗なケツ毛を持っているのだ。まだまだ長生きするに決まっている。

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寂しさと好きの違いについて〜空洞考察〜

私は寂しいと好きの違いがわからない。
寂しいから異性に連絡をしようとする。酔っ払ってメールをして、翌朝後悔するというパターンだ、いつだってそうだ。

でも例えばその異性とうまく会えたとしよう。
そして一緒にご飯を食べに行ったとしよう。

でもその寂しさなんて埋まらないのではないだろうか。

抱きしめ合うことでしか埋められないと思っていたが、実際はどうなのであろうか。

そもそも、ちゃんと付き合っている人だって、寂しさを感じてしまうこともある。
そして私と同じように孤独だと感じている人だっている。

じゃあそれってどうやって埋まるのだろうか。
どうやったらその寂しさを埋めることができるのだろうか。

家族か、恋人か、夫か、子供か。
音楽か、本か、漫画か、アニメか、映画か、インターネットか。

寂しさとは、なんなのであろうか。
誰かといても結局は埋まらないものであろう。
たとえその人がどんなに大切な人であっても。
何か好きなものを摂取していても埋まらないものである。
人間は常に寂しさとともにいる。たぶん絶対そうである。

だから、
埋めよう埋めようと必死になる必要はないのだ。

埋めよう埋めようと必死になっているとあっという間に年をとる。
穴を埋めるために生きるのはやめようではないか。
穴を埋めるために生きるのなんてとても滑稽ではないか。

じゃあなんのために生きるのか。
穴にぴたりとはまるものを探すことでも、その埋めるものに穴を合わせることでもない。

穴の周りに身をつけよう。
どうせなら立派なドーナツにしよう。

そうやって私を形作っていこう。
穴は埋まらない。空洞は存在し続ける。
ないんじゃなくて、あるのだ。

穴はあるのだ。
私は穴を持っているのだ。
躍起になる必要なんてどこにもないのだ。

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モテたいのかSEXがしたいのかなんなのか

久しぶりに会う人なんかと、最近どう?って話になったときに私はよく「いやあ〜全然モテませんね〜」と言ってしまう。
でもそもそもモテるわけもないし久しぶりに会うといえども、先方は私がモテないことくらいわかりきっていることであろう。

誰かと会ってもあーしろこーしろとアドバイスをいただいてばかりだ。
もっとアイラインは目のキワにひきやがれ、チークはもっと濃くだこのやろー、眉毛濃すぎなんだてめーといったメイクのアドバイスから、やれ、銀座のあのバーはナンパ率100%だの、温泉はOKのサインだのと、本当に有り難きアドバイスの数々はいまだに私のEvernoteの中ですやすやと眠っているので、アドバイザーの方々はとりあえずは安心してほしい。

いまや、私だけでなく性交渉を経験したことのない女性が増加傾向にあるそうだ。
しかしそんなただの統計に、まだ30前だし大丈夫〜、とあぐらをかいていては年を経ていくのみだ。

男なし!子供なし!女子力なし!あるのは処女膜だけ!
なんて言う勇気も機会もない、煮詰まりきってしまったこのネタは
もう年齢的にもテンション的にも一生言うことができないであろう。

ここ最近童貞女子という言葉が流行っているようだ。その意味は”童”心を忘れない”貞”淑な女子、というものらしい。
趣味に生き、女子力が低く、恋愛・モテに興味がなく、彼氏いない歴=年齢でも気にすることなく、女子カーストからははずれているがそれを気にもしていないというような内容であった。
モテ疲れしている女性からの共感も得ており、一緒に趣味を共有したいという男性からのラブコールもあるという。羨ましい限りである。

対して、私は童貞のような処女である。
卑屈な精神、歪んだ心、恋愛至上主義の人々を蔑み、見下して悦に入ることで自我を保っている。
自尊心が高く、自己顕示欲が邪魔をし、自意識過剰なまでに羞恥心が強い。面倒臭い限りである。

しかし、とてつもなく面倒くさいけど、慣れればかわいいのだ。かわいくみえてくるのだ。めんどかわいいのだ。

処女なのに童貞、恋愛至上主義に憧れているのに見下して馬鹿にしてしまう、そんな自己矛盾を抱えた赤ん坊爆弾こと私、本当かわいいですよ、愛してみませんか、愛でてみませんか。

今私が立っているここは、火曜サスペンスでよくみるような崖なのである。処女界における東尋坊なのである。
”経年”やら”老い”やらがジリジリと追い詰めてきており、私はそれを払いのけようにも一定のペースで迫ってくる。
いっそSEXへの憧れを断ち切ってしまい、自ら崖の下へと落ちてみようかとも思ったが踏ん切りがつかない。

SEXしてないからこんな風に自分の伝えたいことをうまく伝えられないんだ。このブログ書くのにも一体何日費やしているんだ。SEXしてないからなんとなく人生うまくいかないんだ。なんとなくいいなあって思ってた人に彼女ができたとか何人目だよ。

そんな踏ん切りがつかないのも、思い切りが悪いのもきっと、SEXをしていないからであろうか。
これが私の中の【”鶏が先か、卵が先か。SEXが先か、人生の成功が先か問題”】である。

私はSEXに突破口を見出しているだけであって、なにも出会って4秒で合体したいわけじゃない。SEX中毒なわけがない。
犬を飼ったら人に優しくなれる気がする、東京へ出てきたら成功できる気がする、
そんな淡い期待、と同じ類なのである。

新しい服や靴を買ったらるんるんと気持ちが高揚するように、
髪を切ったら気持ちが一新するように、
新しいノートを買ったら綺麗な字を心がけようと思うように、
そんな感じ。そんな感じで今までの私を刷新したいのだ。

モテたいのかSEXがしたいのかなんなのかなにがしたいのか。

私は変わりたいのです。

追伸:今日、映画モテキを見ていたら辛すぎて死にたくなりました。

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